中世が薫る国・ポーランド グダンスク日帰り旅行

今年の7月中旬の約2週間、中央ヨーロッパのポーランドへ行ってきました。首都ワルシャワからひとり列車に揺られて、しばらくはポーランド南部のクラクフに滞在。アウシュヴィッツ強制収容所(オシフィエンチム)やヨーロッパ最古のヴィエリチカ岩塩採掘抗、高原リゾートのザコパネ、ポーランドのカトリックの聖地チェンストホヴァに足を運びました。

今回は、再びワルシャワへ戻った翌日に出かけた、バルト海に面した北部の都市・グダンスクのレポートをお届けいたします。


※旅行ミニコミサークル「クリエイティブ ライゼ」Vol.21 No.1(2009年)に掲載された旅行記を転載しています。


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◆グダンスク旧市街 美しい街並みに感動!

首都ワルシャワを朝6時40分に出発した列車は、約5時間後にグダンスクに到着。駅のホームに降り立って、列車の進行方向へ目を向けると、遠くには造船所の大きなクレーンアームが。ポーランドの民主化、ひいては旧東欧諸国民主化の引き金となった「連帯」発祥の地に来たんだなぁ……。遠くの景色を眺め、プラットホームでひとりじんわり実感した瞬間でした。



グダンスク中央駅。線路の向こう側に造船所の大きなクレーンアームが見える。

バルト海に面したグダンスクは、国内最大の港湾を持つポーランド北部の中心地です。グダンスクはこの地方で最も古い歴史があるため、「千年都市」と呼ばれることもあるようですが、今の町の姿は、すべて戦後に復元・復興されたもの。中世から抜け出たような古色蒼然たる旧市街の街並みは、第二次世界大戦勃発により、ワルシャワの街と同様に、一度は完全に地上から消えてしまったものなのでした。



グダンスク旧市街の入口「黄金の門」

まずはグダンスクのドゥウガ通りへ。旧市街の入口にある「黄金の門」をくぐり抜けると、目の前には(タイトル下の一番上にある写真の通り)美しい街並みが広がっていました。今回の旅行でワルシャワやクラクフの世界遺産の美しい街並みを今まで見てきた私でしたが、グダンスクのものはそれ以上! 旧市街の真ん中を300mに渡って東西に走る通りの街並みは、カラフルで美しく、その上とても華やかで上品です。入口の「黄金の門」をくぐり抜けた1、2歩のところで、思わず立ち尽くして見とれてしまいました。


前方には赤レンガの時計塔(市庁舎)がそびえ、海の神ネプチューン像の噴水があるドゥウギ広場(グダンスク旧市街の中央広場)へ繋がっています。広場とそこへと続く表通りには、もともと権力のあるお金持ちの人たちが住んでいたそうです。なんとなく街並みが格調高く感じたのは、きっとそのせいなのでしょうね。


◆華やかな旧市街の裏側 グダンスクの下町を散策

ドゥウガ通りとドゥウギ広場がグダンスクの「すました顔」だとすれば、その北側にある聖母マリア教会周辺は、いわば下町、人々の生活が垣間見られるところ。庶民の台所的な市場が2つありました。


1つはグダンスク最古の教会である聖ミコワイ教会の隣にあるハラ・タルゴヴァ・バザール。吹き抜けの2階建て(だったような気がする)の建物は、おそらくここ2、3年内に新しく復元されたもの。魚や肉のお店が多かったような?


もう1つは、そのそばにある衣料品と野菜や果物を売る屋台が並ぶ青空市場。「おいしいから食べてごらん」果物屋のおばさんがいろいろ試食させてくれました。イチゴ、ブルベリー、サクランボなどなど。なかでも気に入ったのは、イェジナと呼ばれるブラックチェリー(キイチゴ?)。甘酸っぱい不思議なおいしさ。しかも1kg約240円という安さ! おばさんの試食攻勢に負けて、ついたくさん買ってしまいました。

◆琥珀店やカフェが並ぶ風情ある小道

ポーランド北部のバルト海沿岸は琥珀の名産地。グダンスクには琥珀を扱っているお店がたくさんあります。特に聖マリア教会から運河までの小道には、琥珀細工のお店が集中。ロマンチックで雰囲気のある静かな通りは、思わずため息が出るほどの美しい街並みでした。(私的一番のおすすめポイントです!)こじんまりとしたカフェもいくつかあり、なかなか風情ある通りで良かったです。



私的おすすめNo.1のマリアッカ通り(聖マリア通り)

柄にもなく、琥珀アクセサリーのショーケースなんぞを覗いていると、お店のキレイなお姉さんが寄ってきて、「こうするとキレイなの」と、太陽の光に透かした琥珀のペンダントを、私にいくつか見せてくれました。今までじっくり見たことがない琥珀の色は、穏やかで温かい色合いだったなぁ。。。(ビンボー人の私には、ちと値段が高くて手が出せませんでしたが~)



琥珀の露店を覗くとお姉さんが寄ってきます(笑)

午後2時頃、オープンテラスのカフェが並ぶリゾート地らしい開放感にあふれている運河沿いの遊歩道を散策。夏の間だけ運航される遊覧船もいくつか出ているようで、多くの観光客に人気があるようでした。「ああ、グダンスク泊まりだったらなぁ…」午後5時の列車でワルシャワに戻らなければならない私、滞在時間が短くて、今回は乗ることができませんした。まぁ、私の旅行では、こういうパターンはよくあるのだけれど(笑)。



港町グダンスクの運河沿いの様子

その後、グダンスクでは(なぜか今ブームの)寿司と魚フライを食べ、今どきのショッピングセンターにも足を運び、鉄道駅の前をぶらぶら散策して過ごしました。また訪れることがあったら、今度はじっくり滞在してみたいな~。そのときは隣町にある教会の「世界で最も美しい音色のパイプオルガン」の演奏も聴いてみたいですね。